音楽反転の話

僕が学生のころ、富士通の FM-Townsの「奏 -KANADE-」という音楽作成ソフトで曲作りをしていました。そのソフトはいろいろ融通の利くいいソフトだったと思います。僕は使いこなせてはいなかったですが、未熟者でも楽しく曲作りができました。

その中の機能で、「移調(半音あげる/1オクターブあげる)」に並んで、「Reverse」という理解しがたい機能がありました。マニュアルによると、「ノート(鍵盤)の番号を逆にする」というものです。

コンピュータでの音楽の編集 いわゆるDTMは、MIDIという「演奏をデータ化するフォーマット」に従って作られるのですが、低い音から高い音まで鍵盤を順番に 0から127まで番号を振って音の高さを表す情報をノートといいます。この「Reverse」という機能は、0番の低い音を 127番の高い音へ、1番は 126番へ、ずーっと進んで高い音の 127番を 低い音の 0番に置き替える作業をするという機能でした。
これが必要になるタイミングがまったく想像つかないわけです。

曲を作って、その内の一部だけ Reverseしても和音からずれるだろうというのは想像に易い話。聞き苦しくなるだけで いいことなんか全然ないですよね?
でも、一部だけでなく 全部に Reverseをかけたらどうなるんだろう?という疑問が湧いて、実際に そのころ作っていた曲に この機能をあててみました。

「淋しくて死にそうな夜」というタイトルからして痛い曲ですが^^;、こちらが原曲です。えっと、Aメロぐらいを聴いていただければ結構ですー。

この曲のリズムパート以外に Reverse機能をあててみました。(このサンプル曲は、そのあと パートごとに適当な音色の選択をし、1オクターブ単位の適当な移調をして、それからベースパート・他を追加してまとめてます^^汗)
(もう20年くらい前の話なので詳細は忘れましたが、基本的なメロディとコード進行は触ってないので、お話の核心的な部分は変わらないということでご容赦を)
「Live Earth」

き、聴ける!
和音(コード)ごと逆さにしてしまうことで不協和音は起こらず、それでいてコード進行がぐちゃぐちゃになるわけでもなくて、ちゃんと音楽として成立している気がする(、ベースがあるとなおよし(ということで追加した^^;))。

ビックリなことが起きましたが、なぜこんなことが起きたのか考察してみました。
起きていることを単純化してみましょう。Cメジャーコードがあります。

C
C

これを反転させるということは、こういうことになります。

Cの反転

これで気付いたことは、Reverseしても白鍵と黒鍵の位置がぐちゃぐちゃになるわけではないということです。まぁ 鍵盤を見てれば当たり前のことですが、先のマニュアルを読んだだけでは想像ができませんでした。
Reverseした鍵盤の並びは、ファからシ ファからシ、そして ドからミ ドからミ までが並んでいるように見えます。
さて ここで、ファからシを 1オクターブ上げて、ドからミの後ろにつなげてみましょう。

Am

これは Amですね。

同じように他のメジャーコードを変換してみます。

F
F

Em
Em

G
G

Dm
Dm

メジャーコードはマイナーコードに。リバースしているので、マイナーコードは対応するメジャーコードに変換されるということになります。
(ちなみに不協和音の Bdimは、変換されてもBdimです)

コード進行の入門って感じでよく聞く「C→F→G→C」の曲は、Reverseをかけると「Am→Em→Dm→Am」というマイナーなコード進行に変わるわけです。
このあたりから僕にはわけわかめになり始めるわけですが、決して成立しないコード進行になるわけではないと感じました。僕は音楽理論を理解していないので これ以上深く考察できないんですが、結構面白い話なんじゃないかなー?って思うんだけど どうなんでしょうね?

ちなみに、「淋しくて(略)」の作曲者は「しょうなり」に対し、「Live Earth」の作曲者は「だいなりイコール」ってことにしてます^^;

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